建設業許可を理解しよう

建設業許可を取るということは…
建設業許可を取った業種については、建設業法に縛られるということです。請負金額が税込500万円未満(建築一式工事は1,500万円未満、又は木造住宅で延べ面積が150㎡未満)であれば建設業許可を取得しなくても工事を請け負うことはできるのですが、許可を取ってしまうと、たとえ規模が小さく安価な工事であっても建設業法に従わなければなりません。つまり、現場には「主任技術者」を配置しなければなりません。この主任技術者は、「専任技術者」の要件を満たす人(おおざっぱに言えば資格を持っている、もしくは実務経験10年以上)でなけれななりません。
技術者は足りていますか?
建設業許可は、29業種の建設工事ごとに取得します。まず必要な技術者は、申請する業種に適合する「専任技術者」です。専任技術者は、所定の勤務時間中は営業所で勤務している人でなければなりません。原則として工事現場には行きません。次に必要なのは、工事現場に赴く「主任技術者」です。すなわち、ひとつの業種につき、資格を持っている、もしくは実務経験10年以上の技術者が最低でも2人は必要とされているのです。
*申請時点では、要件を満たす技術者を2人以上雇用しているかどうかまでは確認されません。
*例外として専任技術者が現場の主任技術者を兼ねることができる場合もあります。詳しくはお問い合わせください。
建設業界も高齢化が進んでいます。
許可要件を満たしている技術者であれば、一人で複数の業種の「専任技術者」になることは可能です。高齢のため、現場の仕事ではなく、専任技術者として営業所勤務をされる方は多いかと思います。万が一、その専任技術者が病気で出勤ができない状態が続いたり、辞めてしまったときは、即座に別の専任技術者をたてなければなりません。要件を満たす技術者がおらず専任技術者をたてられない業種は廃業届を出すことになります。
*ここで注意が必要です。廃業届を出すことになってしまう業種については、専任技術者がいなくなった時点で、許可の欠格要件に該当してしまい、建設業許可業者ではない状態になります。このようなときに税込500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上、又は木造住宅で延べ面積が150㎡以上)の工事を請け負ってはいけません。
特定建設業許可を取得しようとお考えの方
特定建設業許可とは、元請として請け負う工事1件につき、下請に出す代金の総額が4,000万円以上(建築一式工事は6,000万円以上)となる場合に必要となる許可です。ちなみに一般建設業許可とは、特定建設業許可を必要としない場合や下請としてだけ営業しようとする場合に取得する許可です。
特定建設業許可は、専任技術者の要件と財産的要件が厳しくなっています。元請として請け負う業者用の許可ですので当然のことと言えるでしょう。元請業者は、下請、孫請など工事に携わったすべての下請業者に対して建設業法、労働基準法、労働安全衛生法など諸法令に違反しないよう指導しなければなりません。
元請として請け負う工事1件につき、下請に出す代金の総額が4,000万円以上(建築一式工事は6,000万円以上)の工事では工事現場に「監理技術者」を配置しなければなりません。下請に出す代金の金額がそれ未満であれば「主任技術者」を配置します。「監理技術者」には特定建設業許可の専任技術者の要件を満たしている者、「主任技術者」には一般建設業許可の専任技術者の要件を満たしている者が該当します。
主任技術者もしくは監理技術者を現場ごとに専任で配置しなければならない工事があります。(専任とは、他の工事現場を兼任できないという意味です。)この場合の監理技術者は、監理技術者資格者証の交付を受け、かつ監理技術者講習を受けた者でなければなりません。
【監理技術者資格者証】
  • 監理技術者資格者証の交付及びその更新に関する事務を行う指定資格者証交付期間として 財団法人建設業技術者センターが指定されています。
  • 監理技術者講習は、登録講習実施機関が行っており、財団法人建設業技術者センターでは行っていません。
建設業許可の有効期限は5年です。5年ごとに更新手続きが必要です。一般建設業許可は、毎年、決算変更届(事業年度終了届)を出していれば財産的要件はクリアしている扱いになります。が、特定建設業許可は、更新手続きごとに直前の決算が次の財産的要件を満たしていなければなりません。①欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと(欠損の額とは、法人にあっては、貸借対照表の繰越利益剰余金が負である場合に、その額が資本剰余金、利益準備金及びその他の利益剰余金の合計額を上回る額をいいます。 )②流動比率が75%以上であること(流動資産を流動負債で除して得た数値に100を乗じた数をいいます。) ③資本金の額が2,000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4,000万円以上であること
一の会社で一般建設業許可特定建設業許をそれぞれ取得することは可能です。例えば建築工事業は特定建設業許可で、内装工事業は一般建設業許可を取得することができます。が、どちらの許可にも申請手数料がかかってきますので、法定費用は2倍になります。(当事務所の報酬は2倍とはしていませんのでご安心ください。)更新手続きの際の法定費用も2倍かかります。1業種取ろうが29業種取ろうがすべて一般建設業許可(あるいは特定建設業許可)であるなら法定費用は同じです。業種の数で倍増することはありません。
*法定費用(県証紙や収入印紙など)は「報酬と費用」に併記しております。ご覧ください。
建設業許可の種類を理解しましょう。
知事許可は、1つの都道府県のみに営業所を設けて営業しようとする場合、国土交通大臣許可は、複数の都道府県に営業所を設けて営業しようとする場合に必要となります。ここでいう営業所とは、簡単に言えば「契約書の見積り・入札・請負契約の締結」をする事務所などをいいます。許可を取得する場合は、「主たる営業所」と「従たる営業所」を登録しますが(もちろん主たる営業所だけでもOKです。)「主たる営業所」に必ずしも会社の本社を登録しなければならないということはありません。本社が建設工事に関わらない場合(請負契約に関して指導監督すら行っていない場合など)は他の支店等を「主たる営業所」とします。また「従たる営業所」がその「主たる営業所」と同じ都道府県内にあるのなら知事許可でよいのです。例えば、「主たる営業所」が名古屋市内で「従たる営業所」があま市にあるなら、愛知県知事許可でよいのです。そして「従たる営業所」の代表者(支店長や所長等)に「令3条使用人」という名の建設業法上の役割を与えます。
「主たる営業所」では5業種の許可を、「従たる営業所」ではその5業種のうちの3業種の許可だけを取ることも可能です。但し、それぞれの営業所にその業種に適合する専任技術者を置かなければなりませんのでご注意ください。また一般建設業許可特定建設業許可では専任技術者の要件が違いますのでご確認ください。
不必要な業種の許可はなるべく取得しないようにしましょう。
確かにたくさんの業種の許可を持っていたほうが、格好良くみえるかもしれません。しかし、税込500万円未満(建築一式工事は1,500万円未満、又は木造住宅で延べ面積が150㎡未満)の工事でも建設業法を遵守しなければならないということ、建設業法違反をやりかねないということに十分ご注意くださいね。